2012年12月03日
第5回 「売れる本」の仕掛けと2012年の売れ行き動向
2012年11月に『ランチパスポートしずおか』という静岡市内の飲食店を紹介したランチ本が発売されました。掲載されている70店舗でこの本を見せると、通常500円以上するランチを500円ぴったりで食べられるというものです。

他県での実績があるということで期待はしておりましたが、予測以上の売れ行きに驚いています。発売初日で100冊以上の本を販売する書店もあり、売れすぎて追加配本が追いつかないという、出版社側にとってはうれしい悲鳴も聞かれました(在庫切れにより、発売初日に購入できなかったお客様には、大変ご迷惑をおかけいたしました)。
静岡県内の書店取次として、今まで色々な本を扱ってきましたが、ガイド本でここまで販売の初速がある本を扱う事は初めてです。
この本には、本を売るために特に重要な「販売の初速」を引き出す為の仕掛けが数多く含まれています。毎日食べるランチをメインテーマとし、質を落とすことなく500円で食べられる。割引は3ヶ月間の期間限定だから、一日でも早く購入すれば、その分お得感が増す。これに広告と、この本特有の口コミ効果を加えれば、すぐにでも手に入れたいという読者が多く出てきます。
さらに、この本は、一冊で一人しかクーポンの利用ができないため、複数人でのグループ利用のために一人で何冊も購入される方もおり、販売数はおのずと上がってきます。本を売る側も、買う側も、掲載店も笑顔になる。素晴らしい一冊です。
2012年も終わりに近づきましたが、この本を取り扱えたことは、とても良い勉強になりました。今後の動きが楽しみです。
「売れている本」といえば、今年は美容関係の本の話をよく聞きました。
「今売れている本は何か」という話題になると、樫木裕実氏によるカーヴィーダンス本の話題がよく出たことを覚えています。
他にも、昨年から売れ行き好調の『寝るだけ!骨盤枕ダイエット』『体脂肪計タニタの社員食堂500kcalのまんぷく定食』等、テレビをはじめとするメディア露出の高い本が注目を高め、ロングセラーになるという傾向が強いように見えました。
コミックジャンルの『ONE PIECE』もよく話題に出ました。66巻で初動週間売上227万5000部の国内出版史上最高記録を出すなど、出版の国内最高記録をいくつも保持している本です。
12月15日公開予定の映画「ONE PIECE FILM Z」と関連し、11月22日から4週連続で発売される『ONE PIECE新聞』(静岡県内書店では、11月23日から毎週金曜配本)も期待が高まっています。
ガイド本では、例年通り「まっぷる」「るるぶ」といった旅行誌が強く、沖縄のガイド本がとくに売れていました。
単行本では、三浦しをん氏の『舟を編む』が本屋大賞受賞後に売れていました。書店員が選ぶ本屋大賞もようやくメジャーになってきたようです。
今年の夏に発行された百田尚樹氏の『海賊と呼ばれた男』も販売ランキング上位に位置しており、僕のおすすめです。この本は、経営者が戦後の混乱から立ち直り、高度成長期に至るまで、ギリギリの局面を乗り越えながら会社の指揮をとる男の姿を描いたノンフィクション小説です。痛快な経営者の武勇伝には数々のドラマがあり、読んでいて興奮します。高血圧の方は注意してください。
さて、2012年は、しずおかオンラインでも『静岡こどもとおでかけ』『しずおか日帰りナビ』『静岡ジモトリップ』『静岡家を建てるときに読む本』といったガイド本を発行させていただきました。
どの本も静岡県民のために創られた、毎日をもう少し楽しくするお手伝いをするための本です。地元静岡で新発見を体験したい方におすすめです。




※表紙をクリックすると詳細ページが開きます

他県での実績があるということで期待はしておりましたが、予測以上の売れ行きに驚いています。発売初日で100冊以上の本を販売する書店もあり、売れすぎて追加配本が追いつかないという、出版社側にとってはうれしい悲鳴も聞かれました(在庫切れにより、発売初日に購入できなかったお客様には、大変ご迷惑をおかけいたしました)。
静岡県内の書店取次として、今まで色々な本を扱ってきましたが、ガイド本でここまで販売の初速がある本を扱う事は初めてです。
この本には、本を売るために特に重要な「販売の初速」を引き出す為の仕掛けが数多く含まれています。毎日食べるランチをメインテーマとし、質を落とすことなく500円で食べられる。割引は3ヶ月間の期間限定だから、一日でも早く購入すれば、その分お得感が増す。これに広告と、この本特有の口コミ効果を加えれば、すぐにでも手に入れたいという読者が多く出てきます。
さらに、この本は、一冊で一人しかクーポンの利用ができないため、複数人でのグループ利用のために一人で何冊も購入される方もおり、販売数はおのずと上がってきます。本を売る側も、買う側も、掲載店も笑顔になる。素晴らしい一冊です。
2012年も終わりに近づきましたが、この本を取り扱えたことは、とても良い勉強になりました。今後の動きが楽しみです。
「売れている本」といえば、今年は美容関係の本の話をよく聞きました。
「今売れている本は何か」という話題になると、樫木裕実氏によるカーヴィーダンス本の話題がよく出たことを覚えています。
他にも、昨年から売れ行き好調の『寝るだけ!骨盤枕ダイエット』『体脂肪計タニタの社員食堂500kcalのまんぷく定食』等、テレビをはじめとするメディア露出の高い本が注目を高め、ロングセラーになるという傾向が強いように見えました。
コミックジャンルの『ONE PIECE』もよく話題に出ました。66巻で初動週間売上227万5000部の国内出版史上最高記録を出すなど、出版の国内最高記録をいくつも保持している本です。
12月15日公開予定の映画「ONE PIECE FILM Z」と関連し、11月22日から4週連続で発売される『ONE PIECE新聞』(静岡県内書店では、11月23日から毎週金曜配本)も期待が高まっています。
ガイド本では、例年通り「まっぷる」「るるぶ」といった旅行誌が強く、沖縄のガイド本がとくに売れていました。
単行本では、三浦しをん氏の『舟を編む』が本屋大賞受賞後に売れていました。書店員が選ぶ本屋大賞もようやくメジャーになってきたようです。
今年の夏に発行された百田尚樹氏の『海賊と呼ばれた男』も販売ランキング上位に位置しており、僕のおすすめです。この本は、経営者が戦後の混乱から立ち直り、高度成長期に至るまで、ギリギリの局面を乗り越えながら会社の指揮をとる男の姿を描いたノンフィクション小説です。痛快な経営者の武勇伝には数々のドラマがあり、読んでいて興奮します。高血圧の方は注意してください。
さて、2012年は、しずおかオンラインでも『静岡こどもとおでかけ』『しずおか日帰りナビ』『静岡ジモトリップ』『静岡家を建てるときに読む本』といったガイド本を発行させていただきました。
どの本も静岡県民のために創られた、毎日をもう少し楽しくするお手伝いをするための本です。地元静岡で新発見を体験したい方におすすめです。




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Posted by eしずおかコラム at 12:00